可憐だけど摩訶不思議。パッケージの世界観から始まったキャンペーン

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かわいさのなかに、大人のシュールな遊び心

--2018年10月21日「クレ・ド・ポー ボーテ」から、数量限定のホリデーコレクションが発売されました。まずは毎年10月、クリスマスシーズンを前に発売されるホリデーコレクションについて教えてください。

川原:海外のホリデーは、ギフトを贈り合って賑わう楽しい季節です。そこでクレ・ド・ポー ボーテでも、ブランドを知らない方々に手にとっていただくきっかけになれたらと、年に一度のチャレンジとして、ホリデーの季節に合わせて遊び心のあるコレクションをつくっています。2013年にスタートし、今回で6回目になります。

--今年のホリデーコレクションのテーマはなんですか?

川原:テーマは「Collection Féeries d'Hiver(コレクション フェエリー ディベール※)」、そして世界観のコンセプトは「非日常への扉を開く」です。例年、クレ・ド・ポー ボーテのメーキャップディレクターであるルチアが設定し、アイシャドーやリップなどのカラーもそのテーマに合わせて決定します。今年のコレクションは冬のティーパーティーやイギリスのガーデンを思わせるスモーキーな発色が印象的です。

※Féeries(仏):おとぎの国、Hiver(仏):冬

西本:そのテーマのもと、パッケージデザイナーの永田が画家のダリア・ペトリーリさんとのコラボレーションをチームへ提案し、パッケージで展開していく「摩訶不思議なワンダーランド」の表現をダリアさんに託しました。

--なぜ、ダリアさんに白羽の矢が立ったのでしょうか?

西本:ダリアさんは書籍、児童書、広告などを手がけられているイタリア人の画家です。シュルレアリスム作品のような奇妙な雰囲気を持ちながら、かわいらしさも感じる世界観が魅力的です。

川原:「かわいい」商品は、価格帯の低めなブランドでもたくさんつくられています。だからこそ、プレステージブランドが「かわいい」を表現するには、「大人のジョーク」「スパイシーな遊び心」などのひとひねりが必要だと思います。ホリデーコレクションに限らずクレ・ド・ポー ボーテでは、「この値段でも買いたい」と思わせる説得力のあるものづくりを目指しています。

フェースパウダー「プードルコンパクトエサンシエル」
部分用ファンデーション「コレクチュールヴィサージュ」
アイシャドー「オンブルクルールクアドリn」

キーワードは「鍵」。ブランドコンセプトとリンクしたメッセージ

--パッケージの注目ポイントを教えてください。

西本:パッケージの外箱をよく見ていただくと、一部が鍵穴のようなかたちに切り抜かれているのがわかると思います。「ラ・クレーム n」の外箱に描かれた女神も、その手に鍵を持っています。

「非日常への扉を開く」というホリデーコレクションのコンセプトはもちろん、クレ・ド・ポー ボーテのブランドとしてのタグライン「UNLOCK THE POWER OF YOUR RADIANCE(鍵はあき、輝きが解き放たれる)」とも、見事に連動しているんです。

川原:もともと「クレ・ド・ポー ボーテ(Clé de Peau Beauté)」のブランド名にも、「Clé=鍵」「Peau=肌」で「肌の鍵」という意味があるんですよ。

--グローバルブランドであるクレ・ド・ポー ボーテには、国外のスタッフも多く関わっているそうですね。今回はどのようにプロジェクトを進めたのでしょうか?

富澤:クレ・ド・ポー ボーテは、グローバル市場へのさらなる展開を見据えて、2018年春のブランドリニューアル以降、アメリカ在住のアリーシャがクリエイティブディレクターに就任しています。

アリーシャにも相談しながら、ホリデーコレクションについては私とアートディレクターの西本を中心とした東京のクリエイティブチームで、プロモーション動画やサイトコンテンツなど、グローバルで展開されるコミュニケーションをつくりました。

企画書は英語でつくり、ニュージーランド在住のコピーライターと一緒に英語起点のコピーを制作しました。

--コピーについて、特に印象に残っていることはありますか?

富澤:それぞれの商品について、ワンダーランドの世界と商品特徴をかけ合わせたポエムを一緒に構想しました。素敵な響きのコピーに仕上がりました。

クリーム「ラ・クレームn」

 

パッケージの魅力が、全員の心に火をつけた

--今年のキャンペーンでは360度動画も制作されるなど、デジタルコンテンツにも力を入れているそうですね。

富澤:グローバルのキャンペーンでは、各国で展開するために汎用性の高さが必要です。今回は新たな試みとして、キャンペーン動画だけでなく、どこでも誰でもスマホで体験できる360度動画もつくりました。見る角度によって楽しみが広がるので、ワンダーランドの世界をより楽しむことができます。

さらにCANOPUSさんと制作したウェブ上のグリーティングカード「STORY GIFT BOOK」など、イベントなどでの活用も見据えてコンテンツを企画しました。本をめくるような感覚で楽しめるアニメーションを、Eカードとして送ることができるサービスです。

--動画の制作で気をつけたポイントはありますか?

西本:ダリアさんの絵画を尊重しながら、キャンペーン動画は3Dならではの広がりを持たせられるように心がけました。鍵穴に飛び込んだウサギがワンダーランドを旅するストーリーで、映像プロダクションの「白組」さんにCGを制作していただいたのですが、高度な技術力には圧倒されました。各パッケージの絵柄を動かした、商品のプロモーション動画も、平面アニメーションのよさに溢れています。

川原:いいコラボレーションでしたよね。動きひとつで過剰にかわいくなってしまったり、説明的になりすぎてしまったりすることもあり塩梅が難しいのですが、「白組」さんのおかげでバランスよく仕上がりました。

--店頭では、どんな展開を行ったのでしょうか。

富澤:10月21日の商品発売から8日間、東京の表参道ヒルズをジャックしてイベントを行いました。あたかも来場者の体が小さくなり、不思議な世界に入り込んでしまったかのようなイメージで空間がつくられました。

クレ・ド・ポー ボーテ表参道ヒルズ店の店内は一面ホリデーの装飾に彩られ、大階段にはパッケージの世界観を拡張した垂れ幕やパネル、摩訶不思議なティーパーティーのセッティング、360度動画の大型スクリーン上映など、あらゆる工夫が施されました。ここまで大規模なイベントはホリデーコレクションでは初めてでしたね。

--今年、特に大規模なキャンペーンになった理由はあるのでしょうか?

川原:パッケージの魅力に、各部署のキーマンが惚れ込んでしまったんです。「これは売れるよ!」と。そこから「いいものをつくろう」というひとつの目的に向かって、各担当者が自分の仕事を妥協なくこなしていった、熱量の込もったプロジェクトでした。

富澤:デジタルコンテンツについてもスペースについても、パッケージにインスパイアされていろんなアイデアが広がりました。普段とは一味違う、みんなの遊び心が弾けた、プレステージブランドならではのワンダーランドを楽しんでいただければと思います。

ホリデーコレクション ムービー。SNSや店頭プロモーション用。それぞれの商品に合わせてつくられたポエムが使用されている

スペシャルムービー

上記動画の360度バージョン。「非日常への扉を開く」世界観が体験できる
※スマホではYouTubeアプリでご覧ください。特設ページでもご覧いただけます。ホリデーコレクション特設ページはこちら

--最後に、今回のキャンペーンを通して世界観を体験する方や、商品を手に取る方へのメッセージをお願いします。

富澤:ウェブコンテンツ「STORY GIFT BOOK」は期間限定公開なので、ぜひこの冬、グリーティングカードの代わりに活用していただけたら嬉しいです。

川原:「鍵はあき、輝きが解き放たれる」のタグラインに表れているように、口紅を1本買うだけで気持ちが高揚するような存在であることがクレ・ド・ポー ボーテの目標です。ぜひ商品を手に取って「非日常への扉を開く」体験をしてほしいのですが、その体験が現実の人生をも、より素敵で楽しいものに変えるきっかけになれたら、こんなに嬉しいことはありません。

ウェブコンテンツ
STORY GIFT BOOK
クレ・ド・ポー ボーテ「2018ホリデーコレクション」
表参道ヒルズイベントイメージ
表参道ヒルズで行われたイベントの様子
表参道ヒルズで行われたイベントの様子
表参道ヒルズで行われたイベントの様子
表参道ヒルズで行われたイベントの様子
Credits
Shiseido Creative Division
AD
川原 彩子(コミュニケーション)
AD
西本 歩(コミュニケーション)
AD
永田 香(パッケージ)
AD
岸野 桃子(スペース)
AD
上村 玲奈(スペース)
AD
小林 幹也(VMD)
PL
富澤 智子
PH
金澤 正人
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