
サンロレンツォ教会のウォールアートを制作しました。テーマの1つが「おもてなし」だったのですが、日本でも西洋でも人をもてなすときには、花を飾って人を楽しませます。こうしたことから「japonica camellia」、つまり資生堂の象徴でもある「椿の花」を使って表現しようと思いました。
一番大事にしたのは、サンロレンツォ教会の壁に似合うものを作ることです。夏にイタリアを訪れたとき、太陽が燦々と照って輝いていた情景が印象深かったので、そのイメージを大事にしながら、ベージュの壁に映える真っ赤で大胆な図柄を考案しました。
椿と国旗に使われている赤い円の2つの日本的なモチーフが、連なって水玉を作り、互いに見え隠れすることで、見る人に興味を持っていただくことを狙っています。また日本画、特に淋派などにみられるリズミカルな繰り返しや、二次元性などの特徴を取り入れています。
この壁の花が、見た人をもてなし、励ましてくれることを願って制作しました。(小林麻紀)